はじめに。「私の育て方が悪かったの?」と責めていませんか?
みなさんは、小一プロブレムをご存知でしょうか。
小一プロブレムとは、小学校入学後のお子さんが学校生活に適応できず、先生の話を聞くことが難しいなどのさまざまな問題が表出する状態のことです。そうした子どもの行動によって、授業が成り立たなかったり学校側が対応することが難しくなったりします。
親は「私の育て方が悪かったの?」と責めてしまう…。お子さんは居場所である学校が“辛い場所”になってしまいます。大切なのは、問題をひとりで抱え込まないこと。そして子どもや周りの状況を正しく理解することです。
わが家の子どもたちの場合では、小学校の生活に適応したものの、途中から不登校を経験しました。子どもというのは、一見適応しているように見えても内心は困りごとを多く抱えているのかもしれません。さらに親の不安定さの影響が子どもに与えてしまい、そんな“しんどさ”も実感しました。
そこで今回は、入学後の不安を安心に変える具体的な心の準備と適切なSOSの出し方について解説します。親の心の安定を最優先にして、元保育者・わが子の不登校経験の独自視点も加えました。ぜひ、ご参考までにご覧ください。
小1プロブレムなぜ起こる?原因よりもおさえるべき2つのポイント

「小1プロブレムは、なぜ起こるのか?」
親としては気になりますよね。ただ、問題が起こる原因探しに力を入れてしまうと、意外にも根本的な解決につながりにくいのです…。
そこでまずは、小1プロブレムでおさえるべき2つのポイントをご覧ください。
ポイント⒈ 困った行動は子どものSOSのサインかも
お子さんの困った行動とは、実はお子さんのSOSのサインである場合が多いです。
「育て方を失敗した」「子どもがわがままだ」
このように安易に受け取ってしまうと、今後の対応で行き詰まりやすくなってしまいます。
今のお子さんの状態は、新しい環境に適応しようと必死に努力した結果。そしてエネルギーが切れ、環境が子どもに合っていないサインと捉えてみましょう。すると解決の糸口が見えはじめることがあります。
目の前にあるお子さんの状態は、そもそも問題行動だと言い切れないのです。わが子のことだと、客観的な見方が難しいですよね。
それでも視点を変えて捉える。それが良い方向に進むのに必要な“ターニングポイント”です。
ポイント⒉ 専門的な“第三者の視点”を活用する
子どもの「困り感」を解決するには、家庭の視点だけだと不足しやすいでしょう。園や学校、そして専門機関である“第三者の視点”を賢く取り入れるのも必要なポイントです。
これは、親の育て方や価値観が間違っているという意味ではありません。学校側(環境)に改善点が必要な場合もありますし、親以外の視点の見え方が違うこともあります。
自分や学校を責めるのは横において、第三者機関を活用する。すると「子どもの特徴・特性」「現在の環境とのマッチ」を冷静に探るためのメンター・情報源として心強い味方になります。
【対策①心の準備】脱・小1プロブレムの不安!安心に変える3つのヒント

小1プロブレムの不安を安心へ変えるには、なんでもかんでも一気にやろうとしないのがコツです。まずは、やれそうなところから手をつける。もちろん、すべてできなくても大丈夫です。
実はお子さんの苦手なものや困りごとには、見えてなかった本音が隠れている場合があります。ここからは、そんな3つのヒントを紹介します。
ヒント⒈ 子どもの「好き」から育む生きる力
お子さんは、どんなことが好きですか?また、お子さんは自分の興味・関心を存分に楽しんでいるでしょうか?
子どもの「好き」は、生きる力や自信を育みます。「楽しい」「好き」という対象は、大人も同様に負担や苦痛などはありませんよね。
「毎日絵を描いていたら、画力が上がった!いくつか作品ができた!」
「好きなアニメを観てたら考察が得意になった!アニメの聖地へ行ってきて視野が広がった!」
好きなことを続けているだけなのに、いつの間にか自分の強みに変化することはめずらしくありません。
また、そうした思いや経験を身近な人と共有することによって、自己を肯定できたり自信に結びついたりするでしょう。さらには、集中できる経験を通じて待つ力や聞く力なども自然に身につくこともあります。
もし、学校で嫌な思いを抱え続けていら「好き」を強みに変える経験は難しいかもしれません。そんなお子さんの「好き」という思いは、心を支えてくれる存在でもあるのです。
ヒント⒉ 「安心できる人」とのかかわりは、相互理解とSOSの自信になる
人とかかわることは、喜びも苦しさも経験します。自分自身の成長につながることもあれば、辛い出来事によってかかわりを避けようとすることもあるでしょう。
とはいえ、他者から学べることは多いです。人生において他者を避けて通っていくのは難しいですが、反対に相性の悪い相手とは無理に付き合わなくてもできる方法もあります。
また、他者との相互理解によってお子さんの人生をより良くすることもできます。
そのためには、安心できる人とのかかわりが“心の土台”になります。
まずは、お子さんにとって1番身近な存在であることが多い親。
「息子はこの言葉や場面が苦手なんだな」「お母さんはこれが好きらしい」などの親子の日々のかかわりから相互理解を得ることもできます。
安心できる人との心を通わせた経験の積み重ねは、学校の友達や周りの人たちとのかかわりにもつながり、自信をもってかかわろうとするエネルギーも湧きます。
さらに信頼・安心できる人なら、お子さんの「SOS」もぽろっと出しやすいですよね。家庭以外でも「困った時に助けを求める」という方向へ導ける一歩にもなるでしょう。
ヒント⒊ 親の「心のゆとり」から生活力アップを計る
元気がないわが子を見ていると、親の精神も削られます。また、困った行動による疲弊やお子さんの急な欠席による仕事調整、今後の不安などによってストレスを抱えやすい状態に陥りやすいでしょう。
小1プロブレムで最優先したいのは、親の心が健康であること。親の心のゆとりをつくることです。ただし、仕事などで余裕をつくること自体が難しいというのも否めません。
だからこそ完璧な時間管理や家事などは手放して、家族と協力したりペースなどを緩めてみたりとしましょう。できそうなことからはじめるのがおすすめです。
【対策②親のゆとり】小1プロブレムは親の“心のゆとり”が不可欠!抱え込まない3つのコツ

小1プロブレムにおいて親の心の状態によって、お子さんの状況が変わります。ここからは、親が抱え込まないためのコツを紹介しますので、ご参考までにご覧ください。
コツ⒈ 親の心のエネルギーを充電する
小1プロブレムではお子さんの個人差によりますが、親が対応に追われて消耗してしまうのは少なくありません。そのため、親の心のエネルギーを充電することが必要です。
たとえばイライラをぶつけたり、余計な言葉をかけたりするとお子さんにも悪影響を与えてしまいやすいでしょう。すると親子関係が悪化し、お子さんの困った問題は解決するまでに時間がかかることも。
また、お子さんが困っているのにもかかわらず、親を信頼できなくて悩みすら話せないことも想定できます。親の心のエネルギーの充電は、思っている以上に重要なコツなのです。
コツ⒉ 完璧主義を手放そう
子育てでの完璧主義は、周りへの影響が大きいでしょう。できれば完璧にやろうろするよりも、心にゆとりを優先してください。
つい「これをしないと気がおさまらない」「ここまで完了させないと落ち着かない」など固執すると、自分自身もお子さんも苦しくなります。
「学校の連絡帳を細かく書かない」「夕食を簡単に済ませる」など、手を抜く勇気をもつことを少しずつ実践していきましょう。
コツ⒊ 学校とは「適切な距離感」を心がける
学校とのやりとりは、なかなか悩ましい問題です。
家庭から伝えたいことや配慮してほしいことがあっても、学校としては業務上難しいことや配慮できないケースもあります。そのため、お互いの事情・状況を汲み取る「適切な距離感」を心がけると連携がスムーズになるでしょう。
たとえば毎日連絡するのではなく、「困った時にだけ」簡潔に相談する。3つ伝えたいことのうち、今回は大事な1つを伝えておく。そうした配慮によって、親の負担も緩和されます。
連絡帳では「子どもの頑張りやポジティブな姿を伝えるツール」として活用したり、要点だけ簡潔に伝えたりとうまく活用しましょう。
【対策③外部連携】小1プロブレムは第三者活用で強力な協力体制へ

小1プロブレムにおけるSOSには、家庭だけで解決するのは難しい場合があります。そのため、専門的な第三者へ頼ることが大切なポイント。第三者と協力関係を構築できると、これまでにない心の支えとなるでしょう。
協力体制⒈ 学校での対応先
小学校内での主な対応先は、担任・スクールカウンセラー・管理職(副校長先生・学年主任)・養護教諭(保健室の先生)などがあります。
担任の先生は、お子さんや親と最もかかわれる頼りやすい存在です。実際の学校生活に詳しく、話がスムーズでしょう。直接的な配慮や指導も細やかで迅速な対応も期待できます。
ただし、先生によっては把握が甘かったりお子さんを正しく理解できていなかったりする場合もあります。また、お子さんとの相性によって最適な相談先に向かないこともあるでしょう。
とはいえ、担任の先生はお子さんと直接かかわるため、ある程度の情報共有などは必要です。
スクールカウンセラーの先生は、心理的なケアを行う専門の先生です。親子問わず相談できるため、いざという時に活用できる心強い存在。また、お子さんの学校の中での居場所としても活用できるでしょう。
とはいえ、担任同様に相性の問題や「毎回相談できない」という利用頻度の問題もあります。そのため、事前に先生の雰囲気や相談日などを把握しておくと安心です。
管理職の先生(副校長・学年主任など)は、学校全体・学年全体を支えている存在です。もし担任の先生とうまくいかない場合にも“相談窓口”として機能します。
ただし学年主任になると、担任と兼務している場合があるため業務負担や時間調整などの側面から相談が難しいという状況も考えられます。
養護教諭(保健室の先生)は、子どもたちの心身の健康を支える専門の先生です。病気・怪我だけでなく心の不調にも気を配ってくれるでしょう。保健室をよく利用しているお子さんでは、担任の先生よりも話しやすいと感じていることも。学校内での信頼先のひとつになりそうですね。
協力体制⒉ 地域の子育て支援相談
地域の子育て支援相談機関には、教育委員会・児童相談所・地域の子育て支援センターなどあります。さまざまなコミュニティがあり、地域にごとに役割や窓口が異なります。
住んでいる地域の第三者相談機関について、あらかじめチェックしておくと安心です。
地域の相談機関は学校外部にあるため、より客観的な意見を聞くことができます。学校では「登校」を求められるけれど、外部機関では「休み」を尊重されることが多いのも事実です。
学校以外の第三者機関への相談は、お子さんと学校を切り離して考えられる貴重な機会にもなります。
もし登校行き渋り・不登校になったら「休む」勇気も必要
もし、お子さんが登校行き渋りや不登校になってしまったら、親としては心配でたまらないでしょう。とはいえ、休むことは「悪」ではありません。
親子で安心できる再登校に向けて、信頼できる専門機関と一緒に進めていくプロセスこそが親の安心にもつながります。
親も一旦、学校から離れてみる。さまざまな価値観に触れてみる。
こうした親の心のゆとりは、現状が好転する根幹になります。
子どもはひとりで育てられません。周りがうまくやっているように見えても、実はうまく周りに助けてもらっていたり、反対に苦しさを抱えながら過ごしていたりします。
なによりも助けてもらうのが上手な方は、必要な情報をキャッチし、早めに助けを求めて行動しているなどのやりくりがうまいのかもしれません。
小1プロブレムは子育てのチャンス!対策して安心を自信に

小1プロブレムでは、子どものサポートが中心という生活になりやすいでしょう。
そのため、親自身の心が安定していることが最も重要なポイントになります。
ただし気をつけたいのは、今回の記事の内容を含めて一気にやろうしないことです。
なぜなら、親が潰れてしまいやすいからです。
なによりもお子さんやお子さんを取り巻く環境は一人ひとり違います。お子さんにとってマッチする方法を試行錯誤し、もう一度子育てを楽しめるような“ゆとり”をもちたいですね。
今日まであなたは十分に頑張ってきました。原因探しや自分を責め続けることを手放して、明るい未来のために一歩を踏み出してみませんか。すべてをひとりで抱え込まず、周りの力を借りながら親子で一緒に新生活を楽しんでみましょう。
私の体験談・個人的な思いはこちら。






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